8.html (3732B)
1 <!DOCTYPE html> 2 <html> 3 <head> 4 <meta charset="UTF-8"> 5 <link rel="stylesheet" href="../style.css"> 6 <link rel="icon" href="/public/minerva-juppiter.svg"> 7 <title>甘えと限界</title> 8 </head> 9 <body> 10 <header> 11 <h1>Blog</h1> 12 <h2>by Minerva_Juppiter</h2> 13 <nav> 14 <a href="/">Home</a> 15 / 16 <a href="/about">About</a> 17 </nav> 18 </header> 19 <article> 20 <h1>甘えと限界</h1> 21 <h4>2025/06/13</h4> 22 <p> 23 以前、私が転換性障害と診断されたときのことを思い出した。<br > 24 診断書があれば、体育の授業に参加しなくて良くなったし、体育祭も出なくて良くなった。 25 診断書が出る頃には私は杖をついていて、偶に歩くことができないくらいの痛みがあった。 26 両親が帰省している間、私は床に寝転んで少しの痛みと、甘い誘惑に身を委ねていた。 27 一度外に出ると、杖がないと痛くて歩くことが難しいくらいだった。 28 </p> 29 <p> 30 以前に「病人は無限に甘える」と聞いたことがあった。病気になったから、支援を受ける。<br> 31 できないことがある人間に対して、支援があって、それをありがたく受け入れた。<br> 32 けれどもそれが無限に甘えている事になるのか、支援を受けているだけなのか、わからなくなった。<br> 33 常に痛みにのたうち回っているわけではないし、常に歩けない痛みがあるわけではなかった。<br> 34 </p> 35 <p> 36 それまでは、痛みに耐えながら体育の授業を受けていたし、杖もなしに歩いて、混んだ電車で立ったまま1時間くらい揺られて行き帰りをこなしていた。<br> 37 それらはとても辛かったし、苦しかったし、文字通り苦痛に堪えながらの日々であった。<br> 38 私がそれを甘んじて受けていたのは、甘い誘惑と小さな頃からの義務感であったと思う。<br> 39 その強固な義務感から開放された私は、杖なしには歩けなくなってしまった。杖こそが、私の不自由を象徴し、周囲に示すものだったから。<br> 40 武器であって、呪縛であった。私はそれに依存して、二度と立てなくなることを憂いた。<br> 41 だから私は、どれだけ痛くても、それが途中で踞るほどでも、学校に行った。 42 </p> 43 <p> 44 大きな話をここでする気はないけれど、disabilityに対する意識の問題なのだと思う。 45 なにかの能力が欠如している、ただそれだけなのに、病気っていうと、障害っていうと「保護対象」みたいに感ぜられてしまう。<br> 46 それに対して配慮が必要なのは事実なのだけど、それはどんな人間に対しても変わらないこと。<br> 47 人それぞれにできないことがあって、それが私の場合は、痛みなく生活することであって、心が健康であることだっただけ。<br> 48 そういう意識で生きていこうかなと、そう思った。<br> 49 </p> 50 <p> 51 私は痛みを知っている。それが他人のものと一致するわけではないけれども。<br> 52 だからちょっと、もうちょっと、優しい人間になれるかななんて、思いたい。 53 </p> 54 </article> 55 <footer> 56 <p> 57 @all right reserved by Minerva_Juppiter 58 </p> 59 </footer> 60 </body> 61 </html>