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1 2026バレンタインショートショート(カズサの場合) 2 こちら、公式バレンタインエピソードを全力で無視して書いたものですので、解釈違いなど、お気をつけください。 3 「せーんせ。って、おぉ…チョコいっぱいだね」 4 「いやぁ、みんな、私にもチョコをくれるなんて優しいよね」 5 「ふーん。あっ、じゃあ、私からはこれ」 6 カズサは小さな紙袋を差し出した。 7 「わあ。ありがとう」 8 「そろそろおやつ時だし、ね?」 9 「うん。そうしよう」 10 カズサは紙袋の中から、青緑色の缶を取り出して言う。 11 「合いそうな紅茶、もってきたからさ」 12 先生は書類の束を仕訳している間、カズサは給湯室で湯を沸かしながら、紙袋の中のチョコの箱を見つめる。 13 手持ち無沙汰の間に、窓ガラスに反射した先生の姿を見ようとするのだけれども、モニターに隠れて見えない。 14 ポットがグツグツいい始めた頃に先生はソファーに腰掛けた。 15 カズサはポットと、カップ&ソーサーの2組を持って、先生の前に置いた。 16 「あ、せんせ、ミルク先の人だっけ?」 17 「え?あぁ、えっと、拘りはないよ」 18 「わかった」 19 カズサは紅茶を注ぎ、続けてミルクを入れて、先生の方に寄せた。 20 紙袋からチョコの箱を取り出す。 21 それをそっと開けると、中には一口大のチョコレートが2つ入っていた。 22 先生は紅茶を一口飲みながらその様子を眺めていた。 23 カズサはチョコの一つをつまみ、箱を机に置いた。チョコの底にグラシンカップがちょっと張り付いて、箱に落ちた。 24 「先生、口開けて」 25 口に入ってきたチョコの表面のココアの風味と、舌に伝わる苦みが、チョコレートらしかった。 26 離れていくカズサの白くて細い指先がすこし茶色になっていた。 27 口を閉じて、チョコをかち割る。 28 木苺の甘酸っぱさにと、不思議に優しい独特な味がした。 29 カズサは、自分の分のチョコを頬張った。