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report002.typ (7869B)


      1 #set text(lang: "ja", font: "Noto Sans CJK JP")
      2 #set par(leading: 1.5em)
      3 #set heading(numbering: "1.")
      4 #show heading: set block(below: 1em)
      5 #set math.equation(numbering: "(1)")
      6 
      7 #show figure.where(
      8   kind: table
      9 ): set figure.caption(position: top)
     10 
     11 #import "@preview/muchpdf:0.1.0": muchpdf
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     13 #show regex("[\p{scx:Han}\p{scx:Hira}\p{scx:Kana}]"): set text(font: "Noto Sans CJK JP")
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     17 #counter(page).update(0)
     18 #set page(numbering: "- 1 -")
     19 
     20 #let phisics_experiment_table(header, cells) = {
     21   table(
     22       columns: header.len(),
     23       table.hline(),
     24       table.header(..header.flatten()),
     25       table.hline(),
     26       ..cells,
     27       table.hline(),
     28     )
     29 }
     30 
     31 = 実験目的
     32 分光計により,波長の分かっている単色光を用いて回折格子の定数(1cm当たりのミゾの本数)を決定すること。
     33 
     34 = 実験原理
     35 回折格子に特定の周波数の光を当てると、特定の方向にのみ光が強く出る。
     36 その原理は、以下である。
     37 格子定数nの回折格子があるとする。この回折格子に対して垂直に入射する波長$lambda$の平行光線を入射する。この平行光線が入射方向に対して$phi$だけずれたとすると、平行に出射する光線との経路差は$1/n sin(phi)$となる。したがって、
     38 $ 1/n sin(phi) = m lambda (m in NN) $
     39 を満たす$phi$の方向の光の強度が最大になることがわかる。
     40 これを用いて、回折格子に特定の周波数の光を当て、強く光が出る方向を測定することで、その回折格子の格子定数を求めることができる。
     41 
     42 = 実験方法
     43 実験装置:分光計・ガラス製回折格子・光源(ナトリウムランプ)
     44 
     45 この実験は以下の手順に従って、暗室で行った。
     46 分光計の副尺の読み取りは二箇所の値を読み取り、平均化した値を取った。
     47 
     48 1. 望遠鏡の調整
     49 分光計についている望遠鏡を外し、遠くのものを見て、焦点を合わせた。
     50 2. 分光計の調整
     51 望遠鏡の視軸を分光計の回転軸に垂直にし、かつ回折格子の表面を望遠鏡の視線に垂直にした。
     52 また、コリメーターから出る光を平行にし、その視軸を望遠鏡の視軸と並行にした。
     53 3. 光源の設置
     54 スリットの望遠鏡と反対側に光源としてナトリウムランプを置き、ナトリウムランプの電源スイッチを入れると黄色い光が発せられることを確認した。
     55 また、望遠鏡とコリメーターを同一光軸上に置き、スリットの像が明るくなるように光源の位置を微調整した。
     56 4. スリットの調整
     57 望遠鏡を見ながらスリット幅をなるべく細くした。
     58 5. 回折格子の設置
     59 コリメーターからの光が回折格子の表面に垂直に入射するように、回折格子を分光計に設置した。
     60 回折格子の透過光の中心に望遠鏡Tの十字線を合わせて、その読み取り盤の値を読み取り、0次線の角度とした。
     61 6. n次線の探索
     62 望遠鏡を上から見て反時計方向(または時計方向)に回転しながら、スリットの像を探した。
     63 はじめに見つけたスリットの像は-1次(または+1次)の回折戦で形成された像とし、この回折像の中央に4と同様に十字線の中央を合わせ、その時の角度を読み取った。
     64 さらに同じ方向に回転させて次の回折像を見つけ、同様な測定を-5次(+5次)まで行った。
     65 
     66 = 結果
     67 === 測定値
     68 分光計によって得た、光の像の強まる角度を以下にまとめた。
     69 #figure(
     70   caption: [光の強まる角度],
     71   kind: table,
     72   phisics_experiment_table(
     73     ([項目],[5次],[4次],[3次],[2次],[1次],[0次],[-1次],[-2次],[-3次],[-4次],[-5次],),
     74     csv("./v.csv").flatten(),
     75   )
     76 )
     77 === 測定値の解析
     78 また、$theta$から$phi$を求めたものを以下にまとめた。
     79 #figure(
     80   caption: [$theta$による$phi$の値],
     81   kind: table,
     82   phisics_experiment_table(
     83     ([],[1次],[2次],[3次],[4次],[5次]),
     84     csv("phi.csv").flatten(),
     85   )
     86 )
     87 次に得られた$phi$の値を元に、それぞれの次数でのnの最確値を求める。
     88 次数mにおけるnの最確値の式は原理より以下であることが分かる。
     89 $ n = sin(phi) / (m lambda) $
     90 ここで、ナトリウムランプから発せられる光の波長を教科書[1]より$5.893 times 10^(-5)$とすると、
     91 $ n = (sin (phi) / m times 5.893) times 10^5 (本)$と分かる。これらを1~5次までに適応すると、
     92 #let phis = ("1":"1011.1","2":"999.8","3":"1001.7","4":"998.8","5":"995.1")
     93 #for (m,o) in phis [
     94 $ n_(#m) = (sin(phi) / (m times 5.893)) times 10^5= #o (本) $
     95 ]
     96 
     97 となる。この結果をまとめると、
     98 #figure(
     99   caption: [次数による$theta$の値],
    100   kind: table,
    101   phisics_experiment_table(
    102     ([次数],[1次],[2次],[3次],[4次],[5次]),
    103     ([n (本)],[1011.1],[999.8],[1001.7],[998.8],[995.1]),
    104   )
    105 )
    106 === 誤差論
    107 次にnの偶然誤差について考える。
    108 nの偶然誤差である$d^2$平均($d := n - $average$(n)$)は、以下の表によって求まる。
    109 #figure(
    110   caption: [nの偶然誤差],
    111   kind: table,
    112   phisics_experiment_table(
    113     ([次数],[1],[2],[3],[4],[5],[平均]),
    114     csv("./n-d.csv").flatten(),
    115   )
    116 )
    117 次にそれぞれの次数における、測定値の誤差によるnへの影響を考える。
    118 $ phi = (V_1 + (V')_1)/2 - (V_2 + (V')_2)/2 $
    119 これを式(2)に代入すると、
    120 $ n = (sin((V_1 + (V'_1))/2 - (V_2 + (V'_2))/2)/(m lambda))  $
    121 これについて1~5次まで誤差の計算を行う。
    122 なお、分光計の機械的誤差は0.5分なので角度に直すと$1/120$°となる。
    123 1次について
    124 $ delta_n_1 = sqrt(((diff n)/(diff V_1))^2 delta^2_(V_1) + ((diff n)/(diff V'_1))^2 delta^2_(V'_1) + ((diff n)/(diff V_2))^2 delta^2_(V_2) + ((diff n)/(diff V'_2))^2 delta^2_(V'_2)) $
    125 ルート内の各項は同様の値を持つので、以下は第一項を4倍した値として扱う。
    126 $ delta_n_1 = sqrt(4 times ((diff n)/(diff V_1))^2 delta^2_(V_1)) $
    127 $phi_1$を一次における$phi$の最確値とすろと、
    128 $ delta_n_1 = sqrt(4 times (1/(2 m lambda) cos(phi))^2  delta^2_(V_1)) = sqrt((1/(m times 5.893) times 10^5 times cos(phi) )^2  (1/120)^2) $
    129 $ = sin(phi_1) / (m times 5.893 times 120) times 10^5 = 141.115... [本] $
    130 #let deltas = ("2":"70.212","3":"46.3919","4":"34.359","5":"27.039")
    131 #for (m,delta) in deltas [
    132 同様にして#m 次は
    133 $ delta_n_#m = sin(phi_#m) / (#m times 5.893 times 120) times 10^5 = #delta... (本) $
    134 ]
    135 
    136 = 考察
    137 実験より、$n = 1.00 times 10^4 plus.minus 2.8 times 10 [本]$という結果を得た。
    138 この相対誤差は、$(2.8 times 10)/(1.00 times 10^4) = 2.8%$であった。これにより、ある程度の精度をもって測定することができた。
    139 また、この誤差の範囲内に、用いた格子の値である$n=1000$は収まっている。
    140 次に、それぞれの次数でのnの機械的誤差と相対誤差は以下の表のようになっている。
    141 #figure(
    142   caption: [次数によるnの機械的誤差],
    143   kind: table,
    144   phisics_experiment_table(
    145     ([次数],[1],[2],[3],[4],[5]),
    146     csv("./diffn.csv").flatten(),
    147   )
    148 )
    149 この表から次数が上がるとnの誤差が小さくなっていることがわかる。これはnの式にある次数であるmが分母にあるためであると考えられる。
    150 また、いずれの結果もnの真値である$n=1000$が誤差の範囲内に含まれていることがここからも確認できる。
    151 
    152 = 参考文献
    153 [1] 吉田卯三郎 他著 (三省堂) P.176