report003.typ (7914B)
1 #set text(lang: "ja", font: "Noto Sans CJK JP") 2 #set par(leading: 1.5em) 3 #set heading(numbering: "1.") 4 #show heading: set block(below: 1em) 5 #set math.equation(numbering: "(1)") 6 7 #show figure.where( 8 kind: table 9 ): set figure.caption(position: top) 10 11 #import "@preview/muchpdf:0.1.0": muchpdf 12 13 #show regex("[\p{scx:Han}\p{scx:Hira}\p{scx:Kana}]"): set text(font: "Noto Sans CJK JP") 14 15 #muchpdf(read("./titlepage.pdf", encoding: none),width: 20cm) 16 17 #counter(page).update(0) 18 #set page(numbering: "- 1 -") 19 20 #let phisics_experiment_table(header, cells) = { 21 table( 22 columns: header.len(), 23 table.hline(), 24 table.header(..header.flatten()), 25 table.hline(), 26 ..cells, 27 table.hline(), 28 ) 29 } 30 31 = 実験目的 32 ナトリウムランプから発せられる単色光によるニュートンリングを作るレンズの曲率半径を測定すること。 33 34 = 実験原理 35 平行ガラス板BB′上に曲率半径Rの非常に大きな平凸レンズAA′を置いたとし、波長λの単色光をこれに垂直に入射させる。この場合、空気層ABまたはA′B′は、きわめて薄いと考えられるので、入射光も反射光もほぼ平行とみなすことができる。 36 したがって、空気層の上面AA′からの反射光と、下面BB′からの反射光との光路差を求めるには、 37 $ A B = A'B' = O D = z, A D = A'D' = r, E D = 2R-z $ 38 とすると、 39 $ r^2 = (2R-z)z = 2R z - z^2 tilde.equiv 2R z $ 40 これに加えて、AA'からの反射光は密から疎な媒質への境の反射であり、BB'からの反射光は疎から密への境の反射であるので、経路差とすべきのは上式から導かれる光路差に半波長を足したものであると考えられる。 41 これらを踏まえて全光路差は$2z+ lambda/2$であることが分かる。 42 したがって、m番目のr、$r_m$に成り立つ関係式は 43 $ r^2_m = m lambda R ( m in NN ) $ 44 だと分かる。この式から次を考えると、 45 $ r^2_m - r^2_(m + n) = n lambda R (m,n in NN) $ 46 故に 47 $ R = (r^2_m - r^2(m+n))/(n lambda) $ 48 が求まる。 49 以上より、m本目とm+n本目のニュートンリングの直径を測定することで、Rを間接的に測定することができる。 50 51 = 実験方法 52 実験器具:ニュートンリング測定装置、ナトリウムランプ、集光レンズ 53 54 この実験は以下の手順に従って、暗室で行った。 55 数値の測定はマイクロメーターによって行った。 56 また、実験器具の配置と光の経路を図1に示した。 57 #figure( 58 caption: [実験器具の配置と光の経路], 59 kind: image, 60 image("fig1.jpg"), 61 ) 62 63 1. 実験器具の配置 64 ニュートンリング測定装置を設置する。その正面にナトリウムランプを設置する。ニュートンリング測定装置とナトリウムランプの間に集光レンズを設置し、ニュートンリング測定装置へ入射する光が平行な光になるようにする。 65 66 2. 器具の調整 67 ナトリウムランプの電源をつけ、ニュートンリング測定装置についている遊動顕微鏡を覗く。 68 ニュートンリングが見えたらばピント合わせ、半透明反射鏡を傾けて、ニュートンリングが明るく見えるように調節する。 69 70 3. 最初の位置合わせ 71 ニュートンリングの中心を遊動顕微鏡の十字線の軌跡が通過するようにリングの取り付けネジを調整しリングの中心を移動させる。この場合にニュートンリングが真円からずれないように注意をする。 72 73 4. 測定 74 m番目の暗輪(または明輪)に遊動顕微鏡の十字線を合わせて、マイクロメーターでその時の値を読み取る。 75 次に、m-1番目の暗輪(または明輪)に遊動顕微鏡の十字線を合わせてそのときの値を読み取る。 76 同様な測定を-m番目まで行う。ここでmの値は10以上とし、0番目のリングの測定も忘れないように行う。 77 ここで移動機構の遊びを避けるため、移動方向を途中で反転させないように気をつける。 78 79 80 = 結果 81 === 測定値 82 測定で得た、m番目のニュートンリングの値を表1にまとめた。 83 なお、$m$が負のものは$(a_m)'$として表にまとめている。 84 #figure( 85 caption: [ニュートンリングの位置], 86 kind: table, 87 phisics_experiment_table( 88 ("m","1","2","3","4","5","6","7","8","9","10"), 89 csv("a_m.csv").flatten(), 90 ), 91 ) 92 === 測定値の解析 93 また、上記の値から$R$の値を求めた。 94 mとnの値は次のように選んだ。 95 nが大きいとき、小さいサイズのリングから大きいサイズのリングまでを取ることができ、レンズに歪みがあった場合に平均的な曲率半径を取ることができると考えた。 96 逆に、$n=1$と極端に小さくしたときは局所的な曲率半径を求めることができるので、$m=1,m=5,m=9$のときについてそれぞれ曲率半径Rを求めた。 97 ただし、ナトリウムランプから発せられる単色光の波長は参考文献[1]より、$5.893 times 10^(-7)$の値を用いた。 98 ==== Case: m=1 n=9 99 $ R = ((a_10 - a's_10)^2 - (a_1 - a'_1)^2)/(4 times 9 times lambda) = ((7.224 times 10^(-3))^2 times (5.55 times 10^(-3))^2)/(4 times 9 times lambda) $ 100 $ = ((52.19-6.503)times 10^(-6))/(4 times 9 times lambda) = (4.56837 times 10^(-6))/(4 times 9 times 5893 times 10^(-10)) = 2.1534 (m) $ 101 102 ==== Case: m=1 n=1 103 $ R = ((a_2 - a's_2)^2 - (a_1 - a'_1)^2)/(4 times 1 times lambda) = ((3.417 times 10^(-3))^2 times (2.55 times 10^(-3))^2)/(4 times 1 times lambda) $ 104 $ = ((1.168-0.065025)times 10^(-6))/(4 times 1 times lambda) = (5.17339 times 10^(-6))/(4 times 1 times 5893 times 10^(-10)) = 2.1947 (m) $ 105 106 ==== Case: m=5 n=1 107 $ R = ((a_6 - a's_6)^2 - (a_5 - a'_5)^2)/(4 times 1 times lambda) = ((5.613 times 10^(-3))^2 times (5.144 times 10^(-3))^2)/(4 times 1 times lambda) $ 108 $ = ((3.151-2.646)times 10^(-6))/(4 times 1 times lambda) = (5.045 times 10^(-6))/(4 times 1 times 5893 times 10^(-10)) = 2.1403 (m) $ 109 110 ==== Case: m=9 n=1 111 $ R = ((a_10 - a's_10)^2 - (a_9 - a'_9)^2)/(4 times 1 times lambda) = ((7.24 times 10^(-3))^2 times (6.869 times 10^(-3))^2)/(4 times 1 times lambda) $ 112 $ = ((5.129-4.718)times 10^(-6))/(4 times 1 times lambda) = (5.003 times 10^(-6))/(4 times 1 times 5893 times 10^(-10)) = 2.1224 (m) $ 113 114 ==== Rの偶然誤差 115 上記で求めた曲率半径の偶然誤差を計算した表を以下に示す。 116 #figure( 117 caption: [求めたRの偶然誤差], 118 kind: table, 119 phisics_experiment_table( 120 ("n,m","m=1,n=9","m=1,n=1","m=5,n=1","m=9,n=1","平均値"), 121 csv("r.csv").flatten(), 122 ), 123 ) 124 以上から、誤差は$7.1 times 10^(-4)$と求まった。 125 126 = 考察 127 実験から、曲率半径Rは$R = 2.1527 plus.minus 7 times 10^(-4)$と求まった。また、Rの相対誤差は3%と求まった。 128 また、$n=1$のときのmと曲率半径Rの関係としては、mが大きくなるほどRが小さな値になる傾向が見られた。 129 この原因として考えられるのは、レンズの固定のためにレンズの縁をネジで押し付けて固定しているため、レンズの縁に曲率と逆の向きに圧力がかかっていることが考えられる。 130 また、リングの次数が上がるにつれ、縁に近いことやレンズの厚さが増すことで、圧力による曲率の変化が縁に近づくにつれて大きくなっている事が考えられる。 131 これを概念的に図示すると以下の図のようになる。 132 #figure( 133 caption: [レンズの歪み方の概念図], 134 kind: image, 135 image("fig2.jpg"), 136 ) 137 138 139 = 参考文献 140 [1] 吉田卯三郎 他著 (三省堂) P.182