imp.typ (9090B)
1 #set text(lang: "ja", font: "Noto Sans CJK JP", size: 10.5pt) 2 #set par(leading: 1.5em) 3 #set heading(numbering: "1.") 4 #show heading: set block(below: 1em) 5 #set math.equation(numbering: "(1)") 6 7 #show figure.where( 8 kind: table 9 ): set figure.caption(position: top) 10 11 #import "@preview/muchpdf:0.1.0": muchpdf 12 13 #show regex("[\p{scx:Han}\p{scx:Hira}\p{scx:Kana}]"): set text(font: "Noto Sans CJK JP") 14 15 #muchpdf(read("./titlepage.pdf", encoding: none),width: 20cm) 16 17 #counter(page).update(0) 18 #set page(numbering: "- 1 -") 19 20 #let phisics_experiment_table(header, cells) = { 21 table( 22 columns: header.len(), 23 table.hline(), 24 table.header(..header.flatten()), 25 table.hline(), 26 ..cells, 27 table.hline(), 28 ) 29 } 30 31 = 実験目的 32 直流抵抗と自己インダクタンスとを直列に接続した回路であるインピーダンスダイアグラムを作り,遅れの角および自己インダクタンスを算出すること. 33 34 = 実験原理 35 直流抵抗(抵抗値$R$Ω)と自己インダクタンス($H$L)を直列に接続したインピーダンスダイアグラムがあるとする.これに電圧$V$Vの直流電流を流したとき,流れる定常電流を$i$Aとするとオームの法則により抵抗値のRが次式より求まる. 36 $ R = V/i $ 37 またこれに周波数$nu$Hzの交流電流($V=V_0 sin(2 pi nu t)$流すと,一般化されたオームの法則から$V - L (d i)/(d t) = R i$(ここで$i$は流れている電流)であるので次式が成り立つ. 38 $ L (d i)/(d t) + R i = V_0 sin(2 pi nu t) $ 39 この式の解を最大電流$i_0$と遅れの角$phi$を使って$i = i_0 sin(2 pi nu t - phi)$と書けると仮定すると,これを上式に代入して,最大電流$i_0$と遅れの角$phi$は以下のように決定される. 40 $ cases( 41 i_0 = V_0/sqrt(R^2+4 pi^2 nu^2 L^2), 42 phi = tan^(-1)((2 pi nu L)/R) 43 ) $ 44 ここで,$V_e, i_e$をそれぞれ有効電圧,実行電圧とすると, 45 $ sqrt(R^2 + 4 pi^2 nu^2 L^2) = V_0/i_0 = V_e/i_e $ 46 が成り立つ.上記から交流電圧計と交流電流計を用いてインピーダンス($sqrt(R^2 + 4 + pi^2 nu^2 L^2)$)を求めることができる. 47 直流電圧流したときの結果より直流抵抗の抵抗値$R$,交流電圧を流したときの結果よりインピーダンス$sqrt(R^2 + 4 + pi^2 nu^2 L^2)$を求められれば,$2 pi nu L$の値が求められる. 48 従って遅れの角$phi$を算出することができ,周波数計により交流周波数を測定すると自己インダクタンス$L$を求めることができる. 49 50 = 実験方法 51 実験装置:直流電源・スライダック・鉄心入りコイル・直流電流計・直流電圧計・交流電流計・交流電圧計・可変抵抗 52 53 まず実験装置を用いて回路を作った. 54 直流の回路は図1,交流の回路図2に示すような回路にした. 55 #figure( 56 kind: image, 57 caption: [直流回路], 58 image("./dccircit.png"), 59 ) 60 #figure( 61 kind: image, 62 caption: [交流回路], 63 image("./accircit.png"), 64 ) 65 66 == 直流回路の測定 67 1. 可変抵抗の値をできるだけ小さくした. 68 2. 直流電源のツマミを0にして,プラグを接続して電源を入れた. 69 3. 電流値が0.1Aになるように,VOLTAGEのつまみをまわし,次にCURRENTのつまみを回して定電流を流した. 70 4. 電流計・電圧計の数値が安定しないときは,可変抵抗の値を少しだけ大きくし,再度電流が0.1Aになるように定電流を流した. 71 5. 値が安定したら,そのときの電流計と電圧計の値を測定した. 72 6. 4から5の操作を電流が0.1Aから1.0Aまで0.1Aづつ増加させて計測した. 73 74 == 交流回路の測定 75 1. 直流回路から電源・電流計・電圧計だけを変更し,その他は動かさないように回路を組み替えた. 76 2. スライダックのつまみを0にして,プラグを接続した. 77 ここで,交流電源にはコンセントから給電したスライダックを用いたそのため,周波数は西日本のコンセントの周波数である60Hzになった. 78 3. スライダックのつまみを回し,電流計の値が0.1Aになるように電流を流した. 79 スライダックはつまみを0にしていてもオフセット電流が流れる.オフセット電流が0.1Aよりも大きい場合はそれを1つ目の測定値とした. 80 4. 値が安定したら,その時の電流計と電圧計の値を測定した. 81 5. 3から4の操作を電流が0.1Aから1.0Aまで0.1Aづつ増加させて測定した. 82 83 = 結果 84 直流回路により,得られた値を表1に示す. 85 #figure( 86 kind: table, 87 caption: [直流回路のI-V特性], 88 phisics_experiment_table( 89 ("測定番号","1","2","3","4","5","6","7","8","9","10","合計"), 90 csv("current.csv").flatten(), 91 ) 92 ) 93 94 交流回路により,得られた値を表2に示す. 95 #figure( 96 kind: table, 97 caption: [交流回路のI-V特性], 98 phisics_experiment_table( 99 ("測定番号","1","2","3","4","5","6","7","8","9","10","合計"), 100 csv("voltage.csv").flatten(), 101 ) 102 ) 103 以上の結果より,最小二乗法を用いて,それぞれの回路のI-V特性を求めた. 104 直流回路について 105 $ V = R I + V_0_r $とすると 106 $ V = 7.777576 I + 0.177333 $ 107 なので, 108 $ R = (777 plus.minus 6) times 10^(-2) ["Ω"] $ 109 $ V_0_r = (17 plus.minus 4) times 10^(-2) ["Ω"] $ 110 また,交流回路について 111 $ V = Z I + V_0_z $ 112 $ V = 14.5697 I - 0.07333 $ 113 したがって, 114 $ Z = (145 plus.minus 3) times 10^(-1) ["Ω"] $ 115 $ V_0_z = (0 plus.minus 2) times 10^(-1) ["Ω"] $ 116 117 これにより,自己インダクタンス$L$とその誤差$sigma_L$は, 118 $ Z^2 = R^2 + 2 pi^2 nu^2 L^2 $ 119 より 120 $ L = sqrt(Z^2 - R^2)/(2 pi nu) = 3.2680 times 10^(-2) ["Ω"] $ 121 $ sigma_L = 1/(2 pi nu sqrt(Z^2-R^2)) sqrt(Z^2 (sigma_Z)^2 - R^2 (sigma_R)^2) = 8.5 times 10^(-4) ["Ω"] $ 122 $ L = (327 plus.minus 9) times 10^(-4) ["Ω"] $ 123 それにより,遅れの角$phi$とその誤差$sigma_phi$は, 124 $ phi = tan^(-1)((2 pi nu L)/R ) = 1.007686... ["rad"] $ 125 $ sigma_phi = (2 pi nu)/(4 pi^2 nu^2 L^2 + R^2) sqrt(R^2 (sigma_R)^2 + L^2 (sigma_L)^2) ["rad"] $ 126 $ phi = (57 plus.minus 5 ) times 10 [°] $ 127 128 = 考察 129 実験より,回路に用いた鉄心入りコイルのリアクタンス$L$は, 130 $ L = (327 plus.minus 9) times 10^(-4) ["Ω"] $ 131 また,遅れの角$phi$は, 132 $ phi = (57 plus.minus 5 ) times 10 [°] $ 133 であると求まった. 134 リアクタンスの相対誤差は,$9/327 = 0.027522... tilde.eq.rev 3%$ 135 遅れの角の相対誤差は$5/57 = 0.087719... tilde.eq.rev 9%$ 136 である.この値より,十分な精度は出ていないといえる. 137 特に交流の0.1Aに関しては,以下の追加課題で示すグラフを見ると,他の測定点に対して一直線上から離れた点を示している.この点を除いて計算をし直すと, 138 $ L' = (316 plus.minus 6) times 10^(-4) ["Ω"] $ 139 $ phi' = (56 plus.minus 5 ) times 10 [°] $ 140 となり,Lの相対誤差は$6/316 = 0.0189... tilde.eq.rev 2%$ 141 phiの相対誤差は$5/56 = 0.0847400... tilde.eq.rev 8%$ 142 であり,数値が少し改善した. 143 この測定の誤差が大きくなった原因として,測定をするときに電流と電圧がなかなか安定しておらず,不安定なまま測定を行ってしまい,測定の精度が低下したことが考えられる. 144 145 == 追加課題について 146 === 設問1 147 以下の図3に作成したインピーダンスダイヤグラムを示す. 148 #figure( 149 kind: image, 150 caption: [作成したインピーダンスダイヤグラム], 151 image("2025111901.jpg"), 152 ) 153 154 === 設問2 155 三角形ABCは円に内接しており,ACはその円の中心を通っている.これとタレスの定理より,この三角形ABCは角Bが直角であることが分かる. 156 ピタゴラスの定理より, 157 $ R^2 = "AB"^2 + Z^2 $ 158 $ R^2 = "AB"^2 + R^2 + 4 pi^2 nu^2 L^2$ 159 $ "AB"^2 = 4 pi^2 nu^2 L^2 $ 160 $ "AB" = 2 pi nu L $ 161 よって$"AB" = 2 pi nu L$が示された. 162 163 === 設問3 164 以下に測定値とその誤差を示す. 165 ただし,器械的誤差は最小メモリ0.01cmなので,0.005cmとすべきだが,有効数字が足りないので,0.01cmとしている. 166 $ "AC(Z)" = 14.50 plus.minus 0.01 ["cm"] $ 167 $ "CD(R)" = 7.95 plus.minus 0.01 ["cm"] $ 168 $ "AB" = 12.16 plus.minus 0.01 ["cm"] $ 169 $"AB" = 2 pi nu L$より$L = "AB" / (2 pi nu)$より, 170 $ L = 0.03225 plus.minus 0.00001 ["Ω"] $ 171 172 === 設問4 173 今回の実験で可変抵抗をできるだけ小さくした理由は,もし可変抵抗を大きくすると, 174 $ Z = sqrt(R^2 + (4 pi^2 nu^2 L^2)) $ 175 の$R^2$の項が大きくなるので,リアクタンスの含まれる項の影響が相対的に小さくなってしまい,誤差が大きく出てしまうから. 176 177 = 参考文献 178 [1] 吉田卯三郎 他著 (三省堂) P.257